「転職を考えたとき、どのサービスを使えばいいのか分からない」
そんな声をよく耳にします。
私はこれまで雑貨店の店長やエリアマネージャーを経て、人事担当として新卒採用や教育に携わってきました。採用活動では数多くの転職サイトやエージェントを利用し、数百人規模の応募者と向き合ってきた経験があります。
この記事では、そうした**採用の現場で見てきた「企業側の本音」**を交えながら、転職サービスの裏側と上手な選び方を解説していきます。
転職サービスの種類は大きく3つ
まずは転職サービスの基本的な種類を整理しておきましょう。
- 掲載型(求人広告タイプ)
- 転職サイトに求人広告を出す方法
- 求職者は自由に応募できる
- 成果報酬型(エージェントタイプ)
- 転職エージェントが企業と候補者をマッチング
- 採用が決まったときに企業が報酬を支払う
- オファー型(スカウトタイプ)
- 企業やヘッドハンターが登録者に直接スカウトを送る
- 登録プロフィールの完成度が重要
それぞれの仕組みが違うので、企業側も目的に応じて使い分けています。
掲載型の裏側
リクナビNEXT
- 特徴:国内最大級の求人数を誇る定番サイト。自己分析ツール「グッドポイント診断」も人気。
- 企業側の本音:求人案件が圧倒的に多いため、同業のライバルも非常に多い。
そのため採用担当としては、求人原稿をいかに魅力的に見せるかを常に工夫していました。
特に「アイキャッチ画像」や「タイトルの言葉選び」で印象が大きく変わります。
さらにリクナビNEXTはIndeed Plusに連携しているため、Indeed上でも目立つように「検索されやすいキーワード」を意識していました。
エン転職
- 特徴:求人件数はやや少なめですが、独自の「企業口コミ」が豊富。
- 企業側の本音:エン転職の応募者は、求人票だけでなく口コミを必ずチェックしています。
そのため、企業としては**「働きやすさ」や「社員の声」をどうアピールするか**が非常に重要でした。
良い口コミがあると応募数が増える一方、悪い口コミがあると応募が減ることもあり、影響力の大きさを感じていました。
成果報酬型(エージェント)の裏側
dodaエージェント・JACリクルートメントなど
- 特徴:求職者に代わってエージェントが求人を紹介し、企業との間を取り持つサービス。
- 企業側の本音:採用が決まった時点で年収の30〜35%前後の報酬を支払うため、コストは高め。
だからこそ企業は、**「絶対に採用したいポジション」や「即戦力が欲しいポジション」**に限定して利用することが多いです。
また、エージェントも成果につながりやすい人を優先的に動かす傾向があります。
つまり、プロフィールや職務経歴をしっかり書いている人ほど企業に推薦されやすいのです。
オファー型(スカウトサービス)の裏側
ビズリーチなど
- 特徴:登録したプロフィールを基に、企業やヘッドハンターが直接スカウトを送る仕組み。年収600万円以上を目指す人向け。
- 企業側の本音:欲しい人材に直接声をかけられるのが最大の魅力。
ただしスカウトを送る側からすると、プロフィールが薄い人にはアプローチしづらいです。
一方で、経歴やスキルを丁寧に書いている人は「この人は本気だ」と伝わりやすく、スカウトを送る優先対象になります。
企業側が実際に見ているポイント
採用担当として多くの応募者と向き合う中で、特に印象に残るのはこんな人でした。
- プロフィールがしっかり書かれている人
→ 書類が整っているだけで「この人は本気だな」と感じます。 - 複数のサービスを活用している人
→ 積極的に活動していると受け止められ、意欲が伝わります。 - 写真や職務経歴の完成度が高い人
→ 同じ条件の人が複数いても、丁寧に準備している人の方が企業には選ばれやすい。
まとめ:転職サービスは「市場価値を知る第一歩」
転職サービスにはそれぞれ特徴があります。
大事なのは「どのサービスを使うか」だけでなく、どう使うかです。
- リクナビNEXT:案件数が多いからこそ、ライバルに埋もれない工夫が必要
- エン転職:口コミを意識した働きやすさのアピールが鍵
- エージェント:即戦力採用で使われるので、プロフィールの完成度が重要
- スカウト型:プロフィールを充実させることでチャンスが広がる
転職活動は、今の自分の市場価値を知るきっかけにもなります。
登録するだけでも、自分のキャリアの棚卸しになり、思わぬ可能性に出会えることもあります。
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